おおた鍼灸院・漢方薬店

熊本市南区田迎4-9-50、TEL 096-288-6861 おおた鍼灸院・漢方薬店です。
はり灸と漢方薬に代表される東洋医学について、あるいは身の回りの薬草やツボの話などを述べています。
秋口に春の気配を漂わせる、イヌガラシ
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    昨年は地震の影響で休みましたが、今年は里山の花畑にチューリップの球根を植える作業を2年ぶりに復活させました。

     

    写真は10センチ間隔に植えた球根で、この後施肥して土をかぶせます。

     

     

    このチューリップ畑、1年以上ほったらかしにしていたので、いろんな雑草が生えていました。

     

    その中に春を思わせる菜の花のような植物がありました。

     

     

     

    イヌガラシという名前の植物です。

     

    菜の花に似ているのもそのはずで、アブラナ科の植物です。

     

    また、このイヌガラシにとてもよく似ている植物で、同じアブラナ科のスカシタゴボウやイヌナズナがあります。

     

    特にイヌガラシとスカシタゴボウは非常に近縁で、自然交雑種が確認されていて、ヒメイヌガラシと名付けられています。

     

    今回ご紹介しているイヌガラシは、果実があまり長くないのでスカシタゴボウとの交雑種かもしれません。

     

     

     

     

    名前の由来は、同じアブラナ科の植物であるからし菜に似ているが、食用としてはからし菜には劣るという意味で付けられているようです(犬辛子)。

     

    一般的には雑草に分類される植物ですが、若い柔らかい葉は、小松菜と同じように調理したら美味しいそうです。

     

    通常、花は春から夏にかけて咲くようですが、温暖な熊本ではこの時期でもまだ見られます。

     

     

    薬草としては、成熟した種子を乾燥させて用います。

    生薬名は葶藶子(ていれきし)と言います。

     

    中国産の葶藶子は、マメグンバイナズナやヒメグンバイナズナという同じアブラナ科の植物の種子などが用いられているようですが、国内ではこのイヌガラシやイヌナズナの種子を利用しています。

     

    薬草の働きをあらわす気味は苦寒です。

     

    陰気を補うことで、主に肺気が虚したために熱を持ち、胸中や肺に水が滞ったのを収めるのに用いられます。

     

    葶藶大棗瀉肺湯(ていれきたいそうしゃはいとう)などの漢方薬に配合されます。

     

    民間療法では、種子以外にも茎や葉を咳止めや利尿を目的に利用されます。

     

    | 身近な薬草たち | 10:07 | comments(0) | - |
    あぜ道の新参者、ホソバヒメミソハギ
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      今回ご紹介する植物も、戦後発見された帰化植物です。

       

      以前はあまり見かけなかったのに、最近になって田んぼのあぜ道で見かけるようになった変わった植物のひとつです。

       

       

      このように、場所によってはあぜ道に群生しています。

       

       

      名前をホソバヒメミソハギ(細葉姫禊萩)といいます。

       

       

      アメリカ大陸原産の帰化植物で、温暖な地に帰化して次第に広がってきているようです。

       

      細い葉の根元に小さい花をつけますが、花弁は散りやすく、暗赤色の朔果の方が目立ちます。

       

       

       

       

      在来種のヒメミソハギによく似ていて、葉が細いのでこの名がついたようです。

       

      近縁植物のヒメハギは薬草として利用されますが、ホソバヒメミソハギや在来種のヒメミソハギはあまり利用されないようです。

      | 身近な薬草たち | 09:06 | comments(0) | - |
      まさに赤いみかんのような、コミカンソウ
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        台風の接近が2回もあったので、今年の秋口は例年のように静かに移ろうという風情ではありませんが、それでも着実に秋は深まりつつあるようです。

         

        身近なところでは、わが家の庭のハナミズキも紅葉し、サンシュユの実も真っ赤に熟しました。

         

         

         

        そして散歩の途中、ふと足元を見ると赤く染まった植物が・・

         

         

         

        足元にも紅葉する植物があるのかなぁと思いきや、もともと赤味を帯びた茎を持つコミカンソウが実を付け、それが熟して赤くなっている姿でした。

         

        茎だけでなく葉の縁も赤味を帯びる傾向があります。

         

         

         

        また、この葉は夜になると就眠運動をし、2列の葉が上側に閉じます。

         

        葉の付け根に一個ずつ直径が3ミリほどの小さな実を付けるので、枝に一列に並んでぶら下がった状態がとてもかわいいです。

         

         

        コミカンソウという名前が、この実の形状から来ていることもうなずけます。

         

        史前帰化植物と言われているので、稲作栽培が日本にもたらされたころには入ってきていたと思われるような古い帰化植物ですが、国内での薬草としての利用はありません。

         

        外国では伝統的な医学で、下痢やさまざまな泌尿生殖器の障害、糖尿病の治療に使用されているようです。

         

        また、伝統的なハーブ療法としても知られていて、あのAmazon(米国)でもコミカンソウの乾燥した葉がハーブティーとして販売されています。

        | 身近な薬草たち | 10:00 | comments(0) | - |
        ベニバナボロギクはパイオニア植物
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          ベニバナボロギク、漢字では紅花襤褸菊。

           

          ボロとはちょっとかわいそうな名前ですね。

           

           

          ボロという名に悲観してうつむいているわけではありませんが、花序は先が垂れ、下向きに花をつけます。

           

           

          花には花弁がなく、筒状花で、先の方だけ鮮やかな赤橙色になります。

           

           

          名前は、紅花のような赤橙色で、花後の白い糸のような冠毛の様子をボロ(襤褸)布に見たてて付けられた、という説があります。

           

           

           

           

          このベニバナボロギクは戦後確認されたアフリカ原産の外来植物です。

           

          一種のパイオニア(先駆)植物で、森林の伐採後や山火事の後、まっ先に生えてくる植物のひとつです。

           

          わが里山でも今まではあまり見かけなかったのに、昨年の地震と豪雨で土砂崩れした畑を放置していたら、早速一番乗りしたようです。

           

          春菊に似た香りがあり、食べても春菊に似た味と香りだそうです。

           

          外国では野菜として利用されている例もあるようです。

           

          比較的新しい帰化植物ですが、国内でも薬草として利用している例があります。

           

          たぶん、外国で古くから民間療法として利用されているのを参考にしていると思われますが、胃腸虚弱や消化不良に、煎じて服用するようです。

           

          外国の文献によると、葉の汁を健胃に用いたり、外用して創傷を治療したり、葉のローションや煎じ液を頭痛に用いたりしています。

           

           

           

           

           

          | 身近な薬草たち | 16:44 | comments(0) | - |
          子どものころ食べたマキノキの実
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            わが家の生け垣のマキノキの実が熟しました。

             

             

             

            この甘い実を子どもの頃食べた記憶があります。

             

            下の写真のように、真夏のころは緑色の二つの団子を串刺しにしたみたいなのが、秋には一つが赤く熟します。

             

             

             

             

            なぜ一つだけ熟すのか、不思議に思って調べてみました。

             

            まず、一般に槙の木と呼ばれる植物はイヌマキを指すことが多く、わが家の槙の木もイヌマキでした。

             

            植物で「イヌ」という言葉を冠する名前は、もとの植物と比較して劣るとか、偽物とかいう意味を含むことが多いようです。

            そうするとイヌマキは本来のマキと違うということになります。

             

            これには二つの説があるようで、一つはホンマキと呼ばれるコウヤマキに対して付けられたという説、もう一つは、元々マキとはスギのことを指し、それに対して付けられたという説です。

             

            いずれにしても、庭木としての普及率からみて、一般的にマキノキといったらこのイヌマキを指すことが多いようです。

             

            このイヌマキ、雌雄別株で雌株に実がつきます。

             

            先端の緑色の方に種が入っていて、後ろに付いたものは花托といわれ、これが赤く熟したら甘くなり食べることができます。

             

            ちなみにイヌマキはマキ科マキ属、ホンマキと呼ばれるコウヤマキはコウヤマキ科コウヤマキ属で、全く別の植物です。

             

            実もコウヤマキのは松笠状で、イヌマキとは全く違う形状です。

             

            薬草としては、イヌマキの熟した花托をそのまま薬用酒にしたり、乾燥して煎じて服用します。

             

            東洋医学で瘀血(おけつ)と言われる、俗に言う古血の改善を目標に服用します。

             

            | 身近な薬草たち | 21:40 | comments(0) | - |
            アキノノゲシはレタスの仲間?
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              熊本でも稲刈りが最盛期を迎えました。

               

              稲穂が実る頃になると、田んぼのあぜ道には風に揺れるアキノノゲシを見つけることができます。

               

               

               

              このところ夏を思わせる暑さが続きましたが、風に揺れるアキノノゲシを見ると、やっぱり夏とは違う秋の空気を感じます。

               

               

              アキノノゲシ(秋の野芥子)といっても春に咲くノゲシ(野芥子)と同じで、ケシ科の植物ではありません。

               

              葉がケシ科の植物に似ているので付いた名前です。

               

               

              アキノノゲシはキク科アキノノゲシ属の植物で、レタスも同属です。

               

              だからというわけではありませんが、アキノノゲシも食べることができます。

               

              生長したものは苦味が強くなり美味しくないようですが、春先の若い葉はおひたしや和え物などにして食べるようです。

               

              薬草としては、主に民間療法として利用されます。

               

              地方によって使われ方は様々のようですが、胸焼けや健胃、あるいは解熱を目的に茎や葉を乾燥させたものを煎じて服用したり、利尿を目的に日干しした根を煎じて服用するようです。

               

              また、ケガには根を叩きつぶして汁をとり患部に塗布し、虫刺されには葉を揉んで、その汁を塗ります。

               

               

               

              | 身近な薬草たち | 18:00 | comments(0) | - |
              名前からは想像できない姫昔蓬(ヒメムカシヨモギ)
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                姫昔蓬、字面だけ見ると、どんな可憐な花だろうかと想像してしまいますが、実は荒地や道ばたに生える雑草です。

                 

                 

                明治以降に侵入した北アメリカ原産の外来植物です。

                 

                花は、下部は筒状で、上部の一部が舌状に伸びている舌状花で、一見、開花しきれないツボミのままの状態のように見えます。

                 

                 

                 

                冠毛付きの種をたくさん飛ばしてどんどん繁殖するので、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。

                 

                 

                このヒメムカシヨモギにとても近縁で、同じように要注意外来生物に指定されているオオアレチノギクは南アメリカ原産の外来植物です。

                 

                とてもよく似ているので、遠目には区別がつきません。

                 

                 

                花も同じように舌状花ですが、舌状部が小さく、ヒメムカシヨモギよりも、もっと隠れていてほとんど目立ちません。

                 

                 

                帰化植物なので、両者ともに日本で薬草としての利用はありませんが、原産国では古くから利用されているようです。

                 

                ヒメムカシヨモギの原産国である北アメリカでは、伝統的な民間療法に用いられています。

                 

                例えば、薬草の香気を含んだ蒸気によって身を清め、汗をかくことで健康を回復させるのに使われるsweat lodgeと呼ばれる小屋では、風邪の治療にヒメムカシヨモギが用いられます。

                 

                他にも、ヒメムカシヨモギを薫じて虫除けに用いたり、下痢や出血に煎じて服用するようです。

                | 身近な薬草たち | 17:58 | comments(0) | - |
                新顔の星朝顔(ホシアサガオ)
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                  台風18号が通り過ぎた後の状況を調べるために、治療院の裏をちょっとのぞいて見たら、フェンスに朝顔に似た小さな花が咲いていました。

                   

                   

                   

                  朝顔と同じようにつる性で、葉は大きいハート形です。

                   

                   

                  蜜がおいしいのか、ホバリングして吸蜜する虫がいます。

                   

                   

                  最初、ハチかと思ったのですが、蛾の仲間のホウジャクのようです。

                   

                   

                  植物は熱帯アメリカ原産のホシアサガオです。

                   

                  戦後侵入してきた、比較的新しい帰化植物です。

                   

                  下の写真のように、前回ご紹介したヤブガラシと勢力争いをしているところをみると、ホシアサガオも案外したたかで、いずれあちこちで見かけるようになるかもしれませんね。

                   

                   

                  新しい帰化植物ですから、本国で薬草として利用されることはありません。

                   

                  外国では頭痛や胃痛に使用するとの報告がありますが、残念ながら詳しい利用方法は明らかではありません。

                  | 身近な薬草たち | 11:21 | comments(0) | - |
                  藪をも枯らす、ヤブガラシ
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                    ヤブガラシは「薮枯らし」、その名のとおり繁殖力が旺盛で、薮を覆い尽くして枯らしてしまうという意味です。

                     

                    そのためか俗に貧乏葛(ビンボウカズラ)とも呼ばれます。

                     

                     

                     ブドウ科のつる性多年草です。

                     

                    巻きひげを伸ばし、それが途中で分かれて2本になって、それぞれが巻きついて簡単に外れないようになっています。

                     

                     

                    ちょっと油断すると生け垣や植え込み、フェンスなどに絡みついて取るのがやっかいな雑草です。

                     

                     

                     

                    放っておくと完全に覆われて植木は枯れてしまうので、早々に除去します。

                     

                    それでも地下茎があるので また出てきます。

                     

                    花はオレンジ色で小さく、かわいい花です。

                     

                     

                     

                    蜜が多いので、いろんな昆虫がたくさん寄ってきます。

                     

                    特にハチが好むようで、花を撮影するときには度々いっしょになります。

                     

                     

                    薬草としては、今ごろの時期に全草を採取して天日で乾燥させて用います。

                    生薬名は烏蘞苺(うれんぼ)です。

                     

                    清熱、解毒、利尿効果を利用して、扁桃炎や膀胱炎、関節炎 、打撲傷などに煎じて用いられます。

                     

                    ただ、一般的には「虫刺され」に用いられることが最も多いように思います。

                     

                    虫に刺された時に、生の葉をすり潰して、その汁を患部に直接塗ります。

                     

                    毒虫に刺された時や腫れ物には、生の根茎を搗き砕いて出てきた粘液を塗布します。

                     

                    | 身近な薬草たち | 09:07 | comments(0) | - |
                    小錦草といってもデカくないです
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                      小錦と聞けば、多くの人が巨漢の元大関を思い浮かべるのではないでしょうか。

                       

                      今日ご紹介するのは、この小錦の名を持つ小錦草(コニシキソウ)です。

                       

                      北アメリカ原産の帰化植物です。

                       

                      もちろん元大関のしこ名とは無関係で、在来種のニシキソウ(錦草)に似ているので、小さい錦草という意味でつけられた名前です。

                       

                      このコニシキソウはいたって地味です。

                       

                       

                      地を這うように生長し、人に踏まれても平気そうです。

                       

                       

                      踏まれても踏まれても元気に生長を続けるという、言うなれば雑草を絵に描いたような植物です。

                       

                      茎は暗赤色、根元で分枝して地面に張り付くように四方に広がります。

                       

                      葉に暗紫色の斑点があるのが特徴です。

                       

                       

                      また、茎を折ると乳液のような白い液が出ます。

                      これはトウダイグサ科トウダイグサ属の特徴のひとつです。

                       

                       

                      また、コニシキソウの花はごくごく小さく、肉眼ではその構造が分かりません。

                       

                      以前、Eテレの「ミクロワールド」という番組で取り上げられたくらいです。

                       

                       

                       

                       

                      なぜこんな目立たない小さな花なのか。

                       

                      それはコニシキソウの花粉を運んでくれるのがチョウやハチではないからです。

                       

                      コニシキソウの花の横には蜜腺があり、ここから出る蜜を目当てにアリが集まり、その時からだに花粉をつけて運んでくれるのです。

                       

                      だからチョウやハチを呼び寄せるような美しい花びらは不要なのです。

                       

                      そして、コニシキソウが生えた場所の近くには必ずアリの巣があります。

                       

                      下の写真は芝生に生えたコニシキソウのすぐ横にあるアリの巣です。

                       

                       

                      このようにアリとコニシキソウは共存しています。

                       

                      本国で薬草として利用されることはありませんが、中国や韓国では主に民間療法として出血や胃腸疾患、あるいは咳などに用いられているようです。

                       

                       

                       

                       

                      | 身近な薬草たち | 09:44 | comments(0) | - |
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