おおた鍼灸院・漢方薬店

熊本市南区田迎4-9-50、TEL 096-288-6861 おおた鍼灸院・漢方薬店です。
はり灸と漢方薬に代表される東洋医学について、あるいは身の回りの薬草やツボの話などを述べています。
愛犬の病気に漢方薬
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    JUGEMテーマ:わんこ

     

    愛犬の「うり」君の様子がヘンです。

     

     

    ずっと室内で生活していたのですが、昨年の熊本地震の影響で家の中で寝ることができず、ひとりだけ、ずっと車中泊を続けています。

     

    でも他はいたって健康のうり君。

     

    ところが、ちょっと元気がないと思ったらごはんを食べません。


    やっといつもの半分ほど食べて寝ました。

     

    急変したのは翌朝の散歩。

     

    出かけてすぐに昨夜食べたものを未消化のまま嘔吐。

     

    やっぱりおかしいなぁ、と思っていたらこんどは尿の出が悪いようです。

     

    最初は足を上げる時間が長いので、今日はおしっこの量が多いのかなと思っていたら、逆で、ちょっとしか出ていません。

     

    多分、尿意があるのに気持ちよく出ない状態なのでしょう。

     

    とうとう、散歩の終わり頃にはポタポタと落ちる尿が赤い。
    血液の小さな塊も出てる。

     

    こりゃあ大変!!

     

    すぐにでも病院に連れて行こうかと思ったのですが、うり君、大の病院恐怖症。

     

    動物病院の近くの道路を通っただけで、はたから見てもわかるほどガタガタ震えます。

     

    そこで、ここはまず漢方薬で治療することに。

     

    まずは問診?

     

    のどの渇きはありますか?

     

    ワン!(これはウソ)

     

    朝、車から降りて水をがぶ飲み、相当渇いているようです。

     

    熱は?

     

    耳の中に指を入れてみると、いつもよりちょっと熱いような。
    息も少し臭うし、おしっこもいつもより臭いので、やっぱり内熱が少しあるようです。

     

    おしっこは気持ちよくでますか?

     

    これは見た限り、相当出づらいようです。

     

    等々

     

    明らかに、膀胱に熱があるために尿の出が悪く、のどが渇いている状態のようです。

     

    現代医学の病名で言うと膀胱炎でしょうか。

     

    漢方薬は、澤瀉(たくしゃ)や猪苓(ちょれい)が配合された薬方が必要です。

     

    今回は血尿もあることだし、猪苓湯(ちょれいとう)でいくことにしました。

     

    飲みやすいように、猪苓湯の粉薬1gを与えました。

     

    指先に付けて口へもっていくとペロペロなめます。

     

     

    これで夜の散歩の時のおしっこはずいぶん改善しました。

    足を上げる時間が朝より短くなりました。

     

    ただ、まだいつもの元気はないようです。

     

    ごはんはいつもの半分。

     

    翌日(漢方治療2日目)

     

    1日目と同様に猪苓湯1gを一回投与。

     

    のどの渇きはまだあるみたい。

     

    おう吐なし。

     

    尿は順調に出ていますが、血尿はまだあります。

     

    漢方治療3日目

     

    猪苓湯1gを2回投与にする。

     

    投与量は手探りの状態だったのですが、うり君は体重が20kgあるので増やしてみました。
    (この頃になると、漢方薬を口先に持っていくと自分から勝手になめるようになりました。)

     


    のどの渇きも減って、元気も出てきた。

     

    血尿はだいぶ減少したが、散歩の終わりころ尿を紙で受けると、うっすらとピンク色に。

     

     

    もう少しかな。

     

    漢方治療4日目

     

    食欲、元気ともに日常に戻る。

     

    夜の散歩の終わりころの尿は、紙につくピンク色は昨日より薄くなっている。

     

    漢方治療5日目

     

    猪苓湯0.5gを1日3回にする。

     

    やっと微量の血尿も止んだようです。

     

    漢方治療6日目

     

    念のため猪苓湯を同様に与える。

     

    何回も尿のチェックをしたが、血尿は出ていない。

     

    これでほぼ完治かな(^^)

     

     

     

    | はり灸、漢方薬について | 22:04 | comments(0) | - |
    カマキリの卵も生薬です
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      地震とその後の大雨で崩れた、宇城市の里山にある果樹園の土手の復旧工事が始まりました。

       

       

       

       

      それに合わせて、雑草に覆われているツツジの剪定を開始しました。

       

      いつもは夏のはじめに剪定するのですが、今年は遅くなったので、いつもと違う出来事に遭遇します。

       

      そのひとつ、写真はツツジの枝に産みつけられたカマキリの卵鞘(らんしょう)です。

       

       

      この中に数百個の卵があります。

       

       

       

      きっと、みなさん驚かれると思いますが、このカマキリの卵も生薬のひとつです。

       

      現代の日本では生薬として利用することはできませんが、一部流通しているところをみると、健康食品として扱われているのかもしれません。

       

      生薬名を桑螵蛸(そうひょうしょう)といいます。

      桑の枝についた卵鞘が珍重されたので、この名がついたようです。

       

      生薬の最古の薬理書にも記載されています。

       

      秋から冬にかけて採取したカマキリの卵鞘を、一度蒸した後、乾燥させて用います。

       

      主に、東洋医学でいうところの腎虚(じんきょ)が原因で起こる、頻尿や遺尿、遺精などに効果があるようです。

      | はり灸、漢方薬について | 11:17 | comments(1) | - |
      新生児にマクリという漢方薬
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        2月22日に孫が生まれました。

        早速、マクリと呼ばれる漢方薬を与えました。

        昔は、胎毒を下すという目的で、新生児に甘連湯(かんれんとう)という漢方薬が与えられていました。

        別名をマクリといいます。

        処方内容は、大黄(だいおう)、黄連(おうれん)、紅花(こうか)、甘草(かんぞう)の四種の薬草です。













        各1gずつ準備し、水100mlでおよそ半量まで煎じて、滓をこしてから10〜20mlを与えます。

        結構苦い漢方薬ですが、ちゃんと飲んでくれます。

        服用後に黒い便が出ます。

        何か悪いものが出たなぁ、という感じです。

        このような、もうすたれてしまった昔からある風習を復活させると、案外、最近増えている例えば小児の種々のアレルギー疾患も減るのではないでしょうか。

        因みにこの漢方薬は、生後1ヶ月以内の乳児の顔面や頭部の湿疹に用いても効果があります。
        | はり灸、漢方薬について | 11:44 | comments(0) | - |
        炮乾姜(ほうかんきょう)作り
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          毎年、晩秋に行っていた炮乾姜作りをうっかり忘れていました。

          炮乾姜作りには11月から1月の間の寒い時期が最適です。

          立春を過ぎたこの時期には、気温が上昇する日があるのでちょっと心配だったのですが、やってみることにしました。

          いつもショウガを分けていただく農家に連絡したら、保存状態の良い親ショウガ(ひねしょうが)があるということで、分けていただきました。





          洗って土を落とした後、皮をむきます。





          濡らしたキッチンペーパーを軽く絞って皮をむいたショウガを包みます。





          さらにアルミホイルで包み、ガスオーブンにて200℃で30分炮じます。





          炮じ終わったら、取り出して乾燥させます。

          気温が高い日があるので、カビが発生しないように寒い部屋で一日中扇風機で風を送って乾燥させます。





          炮乾姜を作る時期としてはちょっと遅かったのですが、状態の良いショウガが入手できたので挑戦してみました。

          ひと手間かけて炮じて作る乾姜は、陽気を補う働きがより強いように感じます。
          | はり灸、漢方薬について | 10:22 | comments(1) | - |
          咳にもいろいろあります
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            夏が長い熊本でも、毎年この時期になるととても過ごしやすくなります。

            そして日本古来の伝統色としてもその名を残す、紫苑(しおん)が淡い薄紫色の花を咲かせます。


            紫苑

            薬草としては、秋冬に根を掘り、水洗いの後日干しにて乾燥させます。
            生薬名も紫苑です。

            民間療法としては、単独で煎じて主に咳止めや利尿を目的に用いられます。

            漢方薬では、咳き込みがひどく、こみ上げてなかなか止まらなく、のどの中がゴロゴロ鳴るような時に用いられる、射干麻黄湯(やかんまおうとう)などに配合されています。

            ただ咳き込みと言ってもどんな咳にもいいという訳ではありません。


            紫苑

            東洋医学では現代医学の病名が気管支炎でも気管支喘息でも、その状態が冷えから起こっているのか熱から起こっているのかを見極めることが重要だと考えます。

            そして鍼灸治療でも漢方薬でも、冷えから起こっている場合は陽気を補い、熱がこもって起こっている場合は陰気を補い、津液(しんえき)が不足して乾燥して肺燥の状態になっている場合は津液や血を補う治療を行います。

            射干麻黄湯は温める薬草や水をさばく薬草が配合されているので、熱がこもって起こっている咳や、肺にうるおいがない肺燥の咳には効果がありません。

            ご高齢の方で、秋から冬にかけての乾燥した時期に、例えば夜寝入った後、からだが温もってくる夜中になると咳が出て眠れない、というように肺燥が疑われるような咳には効果がありません。

            このように寒熱を見極めることや、あるいはどこに問題があって肺や気管支に冷えや熱が波及しているのかを見極めて治療を行うことがとても重要です。
            | はり灸、漢方薬について | 11:31 | comments(0) | - |
            口内炎の鍼灸治療体験談
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              寝不足が原因で口内炎ができました。
               
              部位は左頬の内側で、形状は血腫様の口内炎です。
              直径1cmほどの半球状の血腫で、風船のようにパンパンに張っていました。
               
              寝不足が原因ですから、東洋医学、特に漢方薬でいう虚労病とみて、小建中湯(しょうけんちゅうとう)の適応と思いましたが、その前にtomoさんに鍼灸治療をやってもらうことにしました。


              ラン
               
              鍼灸の証は脾虚陰虚証で治療したそうです。
               
              最後に口内炎を目標にお灸をしてもらいました。
              手の大腸経のツボである三里あたりにある硬結が灸点だそうです。
               
              まずお灸をする前に、この灸点をギュッっと押さえられただけで、パンパンに張っていた血腫が風船が萎むようにシワシワになったのに驚きました(舌の先で探って感じた様子)
               
              次にお灸を始めたら、1cmほどあった腫れがだんだん小さくなって、15荘ほどで半分以下になりました。
               
              経絡やツボ(経穴)については、以前、本ブログにて簡単に述べていますが、それを直接感じることが出来たので、手前味噌ですがアップしました(^_^;)
               
              小さくなった口内炎は、その後漢方薬の黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を3日服用して完治しました\(^O^)/
              | はり灸、漢方薬について | 21:32 | comments(3) | - |
              更年期障害と季節 〜 春に多い更年期障害
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                更年期障害は、花粉症のように季節が限られた疾患ではありません。
                しかし、春になると決まって更年期障害の症状に悩まされたり、悪化するという人がいます。

                あるいは、更年期障害というほどではないけど、春になると体がだるく感じたり、頭痛や肩こりがひどくなったり、めまいなどを起こして不調を訴える女性が、他の季節より多いのも事実です。

                以前だったら「血の道」と呼ばれていた病気です。



                更年期障害は何故春に悪化するのでしょうか?  〜  その原因を東洋医学から探ってみます

                以前、「冬の土用」について述べた時にも触れましたが、古代中国に自然哲学の陰陽論から派生した五行という考え方があります。

                それによると、万物の構成要素としての木・火・土・金・水(もっかどこんすい)は、季節や人のからだでいうと次のような関係になります。

                木 = 春 = 肝
                火 = 夏 = 心
                土 = 各季節の土用 = 脾
                金 = 秋 = 肺
                水 = 冬 = 腎

                この五行説で見ると、春は「木火土金水」の木にあたり、人のからだでいうと「肝」が木にあたります。このように、春に関係するのは肝ということになります。

                これらの関係は、ただ形式的に季節と五臓を当てはめたのではなく、それぞれに意味があります。

                春は肝の気が盛んになる季節ですが、東洋医学でいう「肝」は現代医学でいう肝臓とイコールではありません。東洋医学では「肝」は血の貯蔵庫と考えます。そして貯蔵された血は必要に応じて全身に送られて、からだを動かしたり、頭を働かせたりします。

                ですから肝が充実している人は、春になってからだが活動的になって血をたくさん消耗しても、その動きについて行くことができて何の問題も起こりません。

                ところが、肝が充実していない人、すなわち血の蓄えが充分でない人(現代医学の貧血とイコールではありません。東洋医学では血虚といいます。)は、自然界の春の動きについて行けずいろんな症状を現します。

                特に、肝に関係が深く血を多く必要とする目や筋に現れやすく、目が疲れやすくなって見えにくくなったり、腰痛や肩こり、神経痛などが起こります。

                また、血を消耗して少なくなるとイライラして怒りっぽくなり、のぼせてフラフラしたり、偏頭痛や不眠になります。

                このように、自然界の春の動きに順応するためには、血の働きがとても重要です。
                血が不足しがちな女性が、春になると不調を訴えることが多くなるのはこのためです。

                このような患者さんに、血を補う薬草の代表である当帰(とうき)が配合された漢方薬や、鍼灸治療で血を補うツボを用いて効果がある所以です。
                | はり灸、漢方薬について | 20:28 | comments(0) | - |
                東洋医学からみた花粉症
                0
                  花粉症の季節がやってきました。

                  近年、スギ花粉に代表される花粉症の患者数が増加しているというニュースをよく聞きます。
                  厚労省の調査によると、わが国のスギ花粉症の患者数は人口の約16%にのぼると推定され、この20年間で急増しているそうです。もう日本人の6人に1人が花粉症ということのようです。

                  どうしてこのように増加しているのでしょうか。もちろんスギやヒノキの花粉が、戦後の植林のために近年増加していることも原因のひとつでしょうが、それにしても増加の勢いが異常のようです。

                  そこでいろいろな要因が推測されているようです。その代表的なものは次の通りです。

                  1,車の排ガスや工場などが原因の大気汚染
                  2,食生活の欧米化
                  3,不規則な生活、ストレスの増加などによる生活環境の悪化

                  1は外的な要因ですが、2と3は内的な要因で、人のからだの方にも原因の一端があると考えられているようです。

                  このうち外的要因を排除するには、今まで通りマスクやゴーグルで保護するしか方法はありあせんが、内的要因は自分のからだですから何とかなりそうです(^ ^)



                  東洋医学からみた花粉症(内的要因について)

                  前回の「立春」〜 東洋医学からみた季節で述べたように、春は冬に盛んだった「陰気」が次第に衰えて行き、代わって「陽気」が徐々に増加してくる季節です。

                  この陽気の働きによって草木も芽吹き、虫も活発に動き始めます。そして、人のからだも自然界の一部ですから、自然界の動きに応じて陽気が増えて活動的になるのが自然です。

                  ところが近年、この春の陽気の動きにうまく乗って行けないという人が多くなっているようです。

                  原因としていろいろ考えられますが、その中でも取り分け、冬の過ごし方が良くないとか、あるいは過度にからだを冷やしていることに原因があるようです。

                  本来、冬は陰気が旺盛な季節ですから、活動を控え陽気を守る必要があります。

                  ところが、現代人は冬でも夜更かししたり、あるいは冷飲食(たとえば冬でもアイス食べたり、ビール飲んだり)して、陽気を損なう機会が多いようです。

                  そのために春になっても陽気の発散がうまくいきません。そして発散しきれない陽気は上昇してからだの上部に停滞し、花粉のようなちょっとした刺激にも反応して炎症を起こします。

                  「冷え」の自覚はあまりないかもしれませんが、簡単にいうと「冷えのぼせ」の状態です。

                  冬の過ごし方を今どうこう言っても今年はもう遅いですが、少なくとも毎年花粉症に悩まされている人は、今からでも胃腸を冷やすことや下半身を冷やすことに注意するだけでずい分効果があります。

                  ひどい花粉症で悩んでいて、その対策として有効だったものをブログなどで公表している人がいますが、その中に、冷たい飲食物を避けて、できるだけ体を温めるような根菜類を中心にした食生活に変更したら症状が改善したとか、足湯を行ったり保温性のソックスやタイツなどで下半身を冷やさないように心がけたら症状が軽くなったという例がたくさんあります。

                  このように陽気を損なうことに気をつけるだけでも、かなり効果があるようです。

                  花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎の鍼灸治療は、その人の状態に応じて、体の内部や下部が冷えている人にはそこの陽気を補い、上部に停滞している陽気は、その程度によって軽く発散させたり、あるいはのぼせを下げるような治療を行います。

                  漢方薬での治療も基本は同じで、冷えているところを温める薬草の乾姜(かんきょう)や細辛(さいしん)など、停滞している陽気を発散する薬草の桂皮(けいひ)や麻黄(まおう)など、陰気を補ってのぼせを下げるような薬草の黄連(おうれん)、オウゴンなどが配合された薬方を病症に応じて用います。
                  | はり灸、漢方薬について | 20:49 | comments(0) | - |
                  鍼灸治療の基本、経絡(けいらく)とツボについて
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                    今回は鍼灸治療にとって最も重要な、経絡とツボについてのお話しです。

                    経絡について
                    経絡は体表に分布し、内部では臓腑とつながってからだ全体を網の目のようにめぐっています。主なものが12本あり(肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、心包経、三焦経、胆経、肝経)、そこを生命活動の基本となる「気・血」が流れて、からだのあらゆる生理作用を円滑に行っています。

                    ツボについて
                    からだのいろんな部位や臓腑に変調をきたすと、そこにつながっている経絡の特定の部位に反応があらわれます。この反応点を経穴(けいけつ)といいます。これが一般にいうところのツボのことです。

                    そして鍼灸治療では経絡の異常を診断して、ツボ(経穴)に鍼や灸による治療を施すことでからだの変調を治します。

                    ですから、胃の具合が悪いような時でも、お腹のツボだけではなく、手足のツボや背中のツボを用いたり、肩こりの治療に足のツボを用いたり、反応があらわれている全身のツボに治療を施します。
                    | はり灸、漢方薬について | 05:58 | comments(0) | - |
                    産後の鍼灸治療
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                      不妊症と妊娠中の鍼灸治療については、すでにこのブログで述べましたので、今回は出産後の鍼灸治療について述べてみたいと思います。

                      産後も妊娠中と同じように、東洋医学の古典ではわざわざ「婦人産後病」という部門をもうけて、産後の種々のトラブルを乗り切れるようにしています。

                      また、産後にはり灸や漢方薬を用いて養生することは、産後に起こる異常を予防するためだけではなく、母乳の出をよくしたり、数年後に起こることが予想される更年期障害の予防にもなります。

                      産後のはり灸や漢方薬による治療は、基本的なところは不妊症や妊娠中の治療と同じように「血」を整える治療です。

                      その中でも、特に産後の治療で重要な点は、

                      1.産後の熱(産褥熱、さんじょくねつ)の治療

                      2.出産が原因の瘀血(おけつ)の対処

                      です。

                      1. 産後の熱(産褥熱)について
                      まず産後の熱ですが、高熱の場合は感染症のおそれがあるので、病院を受診してください。

                      東洋医学で問題にするのは感染症以外の熱です。熱といっても、ほとんどの場合微熱もしくは熱感があっても体温計では熱がないという状態です。

                      東洋医学では、この熱は血虚によって起こると考えます。(血虚の説明は不妊症の治療のところにあります)

                      つまり、妊娠、出産によって「血」が不足して血虚の状態になります。そして、血(陰)が不足して気(陽)とのバランスが崩れることで、微熱や気持ちの悪い熱感が生じます。

                      この熱はいろんなところに波及して、種々の症状の原因になります。
                      特に、熱は上昇する性質があるので、からだでも上部に波及しやすく、体がほてってのぼせたように感じたり、頭痛やめまいがすることもあります。

                      さらに血虚がベースにあるので、疲れやすかったり、気分がイライラしたり、気うつの傾向になったりします。

                      この病態のはり灸による治療の基本は、「血」を補うことで熱の発生源を絶ち、あわせていろんなところに波及している熱は、陰気を補うことで治め、種々の不快な症状を改善します。

                      もしこの状態が長く続くと、「産後の肥立ちが悪い」ということになり、こじれることになります。

                      そのため、昔から産後はからだに負担をかけないように言われ続けていますが、特に「血」を消耗する目に負担をかけることをいさめています。

                      それなのに、出産後の病室で一日中テレビを見たり、スマートフォンを見たり本を読んだりしている人をみるとハラハラします。

                      2. 出産が原因の瘀血について
                      瘀血とはからだの内部に滞って流れの悪くなった血液のことで、東洋医学独特の考え方です。
                      俗に古血と言ったりします。

                      これは、血をめぐらすエネルギーとも言える「気」が、いろんな原因で減退して、血の流れが悪くなり、悪い血が滞った状態です。
                      出産もその原因のひとつになります。

                      この瘀血に対処しないで残ってしまうと、偏頭痛、月経痛、腰痛、肩こり、めまいや精神不安などの種々の症状の原因になったり、時間が経つと下肢の静脈瘤の原因になったりします。

                      この病態のはり灸による治療は、滞った悪い血をめぐらすために、減退している「気」を補います。特に血室と言われる部位の陰気を補い、滞った悪い血をめぐらします。

                      この瘀血にうまく対処すれば、出産前は虚弱体質だったひとが、産後は見違えるくらい丈夫になったりします。

                      出産は精神的にも肉体的にもとても疲れます。さらに育児の負担も重なるので、産後はこれまでみられなかった症状があらわれることがあります。
                      以上のことを参考にして、赤ちゃんのためにも丈夫なお母さんでいてください。
                      | はり灸、漢方薬について | 12:55 | comments(0) | - |
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